要約
DellとPalantirがS&P 500指数に追加されることが発表されました。両社の株価が7%近く急騰しました。S&P 500指数への参加の背景やそれが企業に与える影響について解説します。
目次
S&P 500への参加と株価の影響
S&P Globalが発表した最新のリバランスにより、DellとPalantirがS&P 500指数に追加されることが決定しました。この発表直後、両社の株価は7%前後の急上昇を見せました。
- Palantirはアメリカン航空に代わり、DellはEtsyに代わってS&P 500に追加されます。
- S&P 500への参加は、インデックスファンドを運用する投資家がポートフォリオを調整するため、しばしば企業の株価上昇をもたらします。
Dellの歴史的な再登場
今回のS&P 500への再参加は、かつてのメンバーシップの復帰を意味します。Dellは1996年から2013年までS&P 500の構成銘柄でしたが、創業者のMichael Dellとシルバー・レイクが買収し、非公開企業となったため、一度リストから外れました。しかし、2018年に再上場し、再び市場に戻ってきました。
- AIサーバー需要の急増:Dellは2023年、90%以上の株価上昇を経験しており、Nvidia製のグラフィックス処理ユニット(GPU)を搭載したAI対応サーバーの売上がその成長を牽引しています。2023年第2四半期には、AIサーバーの需要が32億ドルに達し、前四半期比23%増加しました。
Palantirの成長とS&P 500への参加
Palantirは、2003年に創業したスタートアップであり、2020年にニューヨーク証券取引所で上場しました。同社は2022年第4四半期以降、利益を上げ続けています。最新の四半期決算では、純利益は1億3,560万ドルと、前年同期の2,790万ドルから大幅に増加しました。また、4四半期連続で年間売上成長率が加速しています。
- CEOのAlex Karpのリーダーシップ:Palantirの共同創業者兼CEOであるAlex Karpは、技術分野における愛国主義の推進者として知られています。彼は政府や軍事機関がデータ管理を効率化するための支援を行っており、「隠されたものを発見する」ことをミッションとしています。
S&P 500への参加基準
S&P 500に参加するためには、企業は直近の四半期で利益を報告し、直近4四半期の累積利益が必要です。Dellは2019年以降、ほぼ毎四半期で利益を上げており、2023年も大きな株価上昇を記録しています。
- 市場キャップ:S&P 500に参加する企業は、一定の時価総額を持つ必要があります。Dellの時価総額は720億ドル以上、Palantirは670億ドル以上であり、これが指数への追加を後押ししています。
まとめ
DellとPalantirのS&P 500指数への参加は、両社にとって大きなマイルストーンであり、株式市場にも大きな影響を与えました。特にAI技術の普及と利益の安定した成長により、両社は今後も注目される存在となるでしょう。